着物を中古店に売ると、大抵は安く買い取られてしまいます。
でも、大島紬だけは、高く買い取ってもらえるチャンスがあるようです。

大島紬は普段着の着物なので、訪問着や振袖・留袖よりも格が低い着物です。
それにも関わらず、それらよりも高く買い取ってもらえるのはなぜでしょうか。
そこで、大島紬の謎について詳しくお話していきます。

大島紬の柄の特徴。泥染めとはどういう染物?

 

ではまず、大島紬とはどのようなものなのかについてお話していきます。

大島紬と言うと、「渋くて大人っぽい柄」が特徴ですね。
そう、大島紬はシックで粋な雰囲気の柄なので、年齢を重ねるほど似合うようになってくるのです!
大島紬は、訪問着などのような華やかな柄のものはありません。
格子模様や波模様、網代模様など、「規則的で幾何学的な模様」が特徴です。
言い換えると、「絵」というよりも「図形」のような模様ですね。
なので、「女性らしい雰囲気」というよりも「クールでカッコイイ雰囲気」です。

さて、大島紬と言えば、渋めの色合いも大きな特徴です。
なぜこのような色合いになるのかと言うと、「泥染め」という技法で染められているからです。
泥染めとは、大島紬の本拠地・奄美大島でしか行われていない独自の技法です。
どのような技法かと言うと、その名の通り、織物を泥水の中に漬け込むというものです。
泥水の成分と織物の糸が化学反応を起こし、大島紬独特のツヤを出すことができます。
但し、泥染めだけでは美しい仕上がりにはなりません。
泥染めを行う前に、「テーチ木染め」という作業も行います。
これは、「テーチ木」という木を煮込んだ煮汁の中に織物を漬け込むというものです。
泥染めの前にこの作業を何度も繰り返すことで、美しい色の下地を作っていくのです。

大島紬を作る時は、テーチ木染めを30回行い、その後で泥染めを1回行う作業が1セットとされます。
この作業を120セットくらい延々と手作業で繰り返していきます。
大島紬は、気が遠くなるような作業の繰り返しで作られていることがわかりますね。

大島紬が着物買取で高く売れる理由とは。値段の違いは何で決まる?

大島紬は、普段着の着物でありながら、値段はかなり高価です。
そして、中古店に売る時も、ある程度は高額で買い取ってもらうことができます。
なぜ大島紬ばかりが高く売れるのかということには、理由がいくつかあります。
まず、「時間をかけた手作業で作られている高級品だから」という理由です。
大島紬は、1つ1つ時間をかけた手作業を繰り返して作られます。
手作業ゆえ、生産量が限られているので、どうしても希少価値が高くなってしまいます。
そのため、「珍しい高級品」として扱われ、高く売ることができるのです。

次は、「汚れが目立ちにくいから」という理由です。
大島紬は、ツヤがある黒っぽい色合いが特徴です。
そのため、汚れがあっても目立ちにくいというメリットがあります。
汚れが目立つと、買取価格を大幅に下げられてしまいますよね。
でも大島紬なら汚れが目立たないので、そのハードルを楽々クリアすることができます。

最後は、「そもそも、汚れそのものが付きにくいから」という理由です。
大島紬は、表面がツルツルしているので、液体の汚れをある程度弾くことができます。
特に、雨の日は水を弾いてくれるので、天気の悪い時に重宝する着物の1つです。
そのため、汚れが繊維にしみ込みにくく、シミになりにくいという特徴を持っています。
なので、きれいな状態を維持することができ、高く売ることができるのです。

まとめ

大島紬は、気の煮汁と泥水に漬け込むという、独自の技法で作られている着物です。
そして、職人さんが手作業で、時間をかけながら作り上げていきます。
そのため、非常に希少価値が高い、高級な着物の一種です。
それゆえ、中古で売る時も、他の着物より買取価格が高くなる傾向があります。
しかし、大島紬の買取価格が高い理由は、「高級だから」というだけではありません。
汚れが目立たない・汚れが付きにくいという点も、その理由として挙げられます。